刑事告発後の展開

島崎 崇

私は、金融庁による投資詐欺事件にある通り、金融庁に騙されて、うっかり2009年以降の公認会計士短答式試験を受験してしまった。そして、何度も短答式試験の合格水準に達したにもかかわらず、論文式試験の受験資格を与えられなかった。私は、金融庁に対する不信感が極まり、2011年第2回の短答式試験を最後に、この詐欺試験から撤退した。

それから1年後、私は、公認会計士試験の受験によって被った様々な損害を回復すべく、国家賠償訴訟を提起した。この民事訴訟は呆気なく終わってしまったが、その後2013年7月に、私は、違法試験の犯人を刑事告発した。この頁では、刑事告発後の展開について述べる。


1. 東京地方検察庁への告発

私は、1ヶ月ほど掛かって告発状(東京地検宛て)(PDF)を作成し、2013年7月14日に東京地方検察庁宛てに郵送した。当初、私は、この告発が適正に処理されることに殆ど疑念を抱いていなかった。そして、告発状の内容に関する質問か、捜査への協力について、検察庁から問い合わせが来るかも知れないと予想していた。

ところが、検察庁から来たのは、問い合わせではなかった。告発から丁度1ヵ月後の8月14日、私の提出した告発状と付属資料が、一式そのまま私の元に帰ってきたのである。私は、予想外の出来事に驚いた。検察官が告発を受理しないということは、刑事訴訟法の下では、あり得ない。私は、確かに、東京地方検察庁の検察官に告発したのである。

私に返却された郵便物には、一枚の書面が添えられていた。それを読むと、「貴殿から、2013年7月14日付け「告発状」と題する書面及びその添付書類が送付されました」などと記載されている。どうやら、東京地検の検察官は、私の告発状を告発であると理解できなかったようである。私の告発状(東京地検宛て)(PDF)は、誰がどう読んでも、刑事訴訟法第239条1項に基づいた告発である。これが告発であると誰も認知できなかったのであれば、東京地検の検察官は、全員、認知症患者である。そして、東京地方検察庁の正体は、実は、「東京痴呆検察庁」だったのである。

東京地検による告訴状・告発状の不受理は、私のケースに限ったことではなく、少なくとも、報道機関がニュースとして取り上げていない事件を告訴・告発した人は、同様の扱いを受けているのだろう。又、他の検察庁でも、同様の手口で告訴・告発を不正処理しているかも知れない。検察庁とは、告訴・告発に係る犯人と被害者を放置した上で、告訴人・告発人の権利を侵害する犯罪組織だったのである。

本来、検察官は、私の告発を受け、必要な捜査を行い、公訴の提起をするかどうかを決定した段階で、私に通知しなければならない(刑事訴訟法第260条)。刑事訴訟法は、検察官に、告発を無効にする裁量を与えていない。従って、告発人に告発状を返却するという行為は、告発権(刑事訴訟法第239条1項)の侵害に該当する違法行為である。又これは、刑法上、公務員職権濫用罪に該当する。


山上秀明を告訴

私は、東京地方検察庁に電話を掛け、検察官の違法行為について抗議すると共に、当該違法行為の責任者の氏名を聞きだした。リーダーは、特別捜査部長の山上秀明という人物であることが分かった。インターネットで検索すると、山上秀明は確かに実在している。私は、公務員職権濫用罪で東京地検特捜部長山上秀明を告訴することとした。

告訴先は、東京地方検察庁以外が良いと考え、東京高等検察庁に決定した。私は、告訴状(山上秀明)(PDF)を書き上げ、幾つかの証拠と共に、2013年8月26日に東京高等検察庁宛てに郵送した。今後、東京高検が私の告訴をどう処理するか、興味深いところである。


2. 警視庁への告発

東京地方検察庁が私の告発状を不正処理したため、私は同じ事件について他の捜査機関に再告発しなければならなくなった。告発先は、検察と警察があるが、今回は警察(警視庁)を選択した。警察の場合、犯罪捜査規範に基づいて、告訴・告発を受理することが期待できるからである。犯罪捜査規範の第63条1項は、「司法警察員たる警察官は、告訴、告発または自首をする者があったときは、管轄区域内の事件であるかどうかを問わず、これを受理しなければならない。」と規定している。仮に、検察のように告発の受理を拒むようなことがあれば、これを根拠に受理させることができるだろう。

私は、検察庁への告発後、 受験被害者の推定人数を計算し直していた。そこで、これを反映させ、又若干の修正を加えて、告発状(警視庁宛て)(PDF)を作成した(但し、このときは2013年の受験者数を誤っていたため、後に再訂正することとなる)。そして、2013年8月21日、この告発状を添付書類と共に警視庁宛てに郵送し、再告発した。

その後、9月10日に警視庁から電話があった。刑事部捜査第二課のナカハラという男からであった。彼は、「告発状の内容は犯罪に該当しない。告発状は返送する。」などと言ってきた。それに対して私は、「犯罪が成立しているか否かは、警察が判断することではない。告発の不受理は、告発権の侵害に当たり、認められない。」などと応答したが、彼に聞き入れる様子は無かった。

それから2日過ぎても3日過ぎても音沙汰が無かったが、4日後の9月14日になって警視庁から簡易書留郵便が届いた。電話での予告通り、告発状と添付書類一式が私の元に戻ってきたのである。私は、9月18日、警視庁に電話を掛け、捜査第二課のナカハラと話した。私は、犯罪捜査規範(国家公安委員会規則第二号)第63条1項の条文をゆっくりと読んで、告発の不受理は明らかにこれに反した違法行為であると主張した。すると彼は、「告発状の返送は、捜査二課としての判断である。責任者は捜査二課長の重松弘教であるが、彼と話しをすることはできない。」などと無責任な返答をした。どうやら、全く反省が見られず、態度が変わらないようである。


重松弘教らを告訴

数千人の被害者が発生している重大事件を黙殺し、私の告発権を侵害した警察官を、このまま見過ごすことはできない。彼らは、相応の罰を受けなければならない。私は、警視庁刑事部捜査第二課長の重松弘教、及び警部補のナカハラと名乗る男を、公務員職権濫用罪で告訴することとした。電話の翌日9月19日、私は、告訴状(重松弘教ら)(PDF)を書き、幾つかの証拠を添付して警察庁長官米田壮宛てに郵送した。


3. 警察庁長官への告発

私は、9月10日に警視庁から電話を受けてから、3度目の告発を予想し、準備をしていた。上記の告訴状と一緒に提出することを考え、今回は告発先として警察庁長官を選択した。私は、警視庁への告発後、2013年の受験者数を勘違いしていたことに気付いたので、これを修正し、被害者数を見積もり直した。そして、これを告発状(警察庁長官宛て)(PDF)等に反映した。

警視庁から返送された告発状及び付属資料は、ホッチキスの針が付け直されていた。どうやら、念のためにコピーを取ったようである。紙に折り目が付かないように、ホッチキスの針を外して一枚一枚コピーしたのだろう。一部の資料が他の資料に混じって留められていたため、私はこれを正しく留め直した。そして、同じ資料を新たに作成する手間を省くため、更新した告発状等を除き、警視庁から返された資料をそのまま警察庁に送ることとした。

告訴状と告発状は、翌9月20日に霞ヶ関に到着した。これにより、告訴と3度目の告発が有効に成された。

10月17日、警察庁から配達証明付きの書留郵便が私の元に届いた。中身は、私の告発状と告訴状であった。私の告訴及び告発は、又もや無効にされた。霞が関の役人というのは、ことごとく悪人である。


米田壮を告訴

山上秀明、重松弘教らと同様に、米田壮についても、公務員職権濫用罪で告訴することとした。私は、11月15日、告訴状(米田壮)(PDF)を最高検察庁検事総長小津博司宛てに郵送し、警察庁長官を告訴した。これと一緒に、このバカ長官によって無効にされた告訴状(重松弘教ら)(PDF)も、日付け、宛て先等を修正して同封し、再告訴した。


4. 最高検察庁検事総長への告発

警察庁長官によって葬られた告発を、このまま無駄死にさせることはできない。私は、違法な公認会計士試験を実施した犯人を最高検察庁検事総長小津博司に告発することとした。告発状の内容は、告発状(警察庁長官宛て)(PDF)と同じである。2013年11月15日、私は、告発状、霞が関まで既に3往復して傷みかけている添付資料、それに前述の告訴状2通を封筒に入れ、小津博司宛てに郵送した。


警察庁長官によって葬られた告発を、このまま無駄死にさせることはできない。私は、違法な公認会計士試験を実施した犯人を最高検察庁検事総長小津博司に告発することとした。告発状の内容は、告発状(警察庁長官宛て)(PDF)と同じである。2013年11月15日、私は、告発状、霞が関まで既に3往復して傷みかけている添付資料、それに前述の告訴状2通を封筒に入れ、小津博司宛てに郵送した。


12月11日、最高検察庁から私宛てに分厚い郵便物が届いた。案の定、中身は、私の告発状と2通の告訴状であった。1枚の書面が添えられていたが、そこには、次のように記載されていた。


貴殿から送付のあった「告訴状」と題する書面(本年11月15日付け2通)、「告発状」と題する書面(本年11月15日付け1通)を拝読しました。
犯罪が成立するためには、それぞれの犯罪ごとに刑法等で定められている構成要件に該当する事実の存在が必要であり、告訴・告発を行うに当たっては、そのような構成要件に該当する行為を具体的に記載していただく必要がありますが、貴殿提出の上記「告訴状」「告発状」と題する書面記載の告訴・告発事実について言われる点は、その内容が判然とせず、告訴・告発の対象となる具体的な犯罪事実が特定されているとは認められませんので、上記「告訴状」と題する書面2通、「告発状」と題する書面1通及び資料一切については返戻します。

小津博司は、東京地検と同様の口実を以って、刑事訴訟法に背いて私の告発・告訴を抹殺したのである。上記の文章には明らかに誤っている部分が何カ所かあり、誤解を生じる恐れがあるので、これらを修正した正しい解釈を以下に示す。

貴殿から送付のあった「告訴状」 と題する書面 (本年11月15日付け2通)、「告発状」 と題する書面 (本年11月15日付け1通)を拝読しました。
犯罪が成立するためには、それぞれの犯罪ごとに刑法等で定められている構成要件に該当する事実の存在が必要であり、告訴・告発を行うに当たっては、 そのような構成要件に該当する行為を具体的に記載していただく必要があります 検察官に対して書面のみならず口頭でも行うことができ(刑事訴訟法第241条1項)、検察官は、必要な捜査を行った上で(同法第191条1項)、告訴・告発のあった事件について、公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしたときは、速やかにその旨を告訴人・告発人に通知しなければなりません(同法第260条) が、貴殿提出の上記「告訴状」「告発状」 と題する書面 記載の告訴・告発事実について言われる点は、その内容が 唯のバカに過ぎない最高検察庁検事総長小津博司にとっては 判然とせず、告訴・告発の対象となる具体的な犯罪事実が特定されている ものの、有力な報道機関がニュースとして取り扱っていない以上、検察庁が非難される恐れが無いことから、態々刑事訴訟法に則って適正に処理すべき案件である とは認められません ので、上記「告訴状」 と題する書面 2通、「告発状」 と題する書面 1通及び資料一切については 小津博司による職権濫用に基づき 返戻します。

結局、想像を絶するほど無能な警察、検察によって、私の行った告発、告訴の一切は無効にされた。仮に、マスコミの知能水準がもう少し高かったならば、警察、検察を監視し、これらの横暴を野放図にはしていなかったであろう。又、2009年以降の違法公認会計士試験についても、キチンと報道することができたであろう。しかしながら、日本のマスコミ関係者にそのレベルの仕事は期待できない。何せ、彼らは、支持率やら視聴率やらを、信頼区間を切り捨てて扱うくらいのマヌケな連中なのである。統計学の基本すら分かっていないのに、試験の合格倍率が統計学的に異常であることを理解することなど、到底無理な話なのである。彼らのやることと言えば、精々、誰にも責任の無い待機合格者の発生を問題視したり、金融庁らが公表する公認会計士試験の水増し合格率を無批判にそのまま引用したりすることである。バカ共は丸で役に立たない。

私は、当然に合格していたはずの公認会計士試験で何度も不合格にされ、その後の国家賠償訴訟で呆気なく敗訴し、挙句の果てには、4度も行った刑事告発もことごとく不発に終わった。万事休す。私に残された手段は、唯、違法公認会計士試験に関するこれまでの経緯をここに公開しておくことのみとなった。


刑事告発

© 2013 島崎 崇
更新: 2014年1月2日